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エビデンス 1
~ 治療方法を医師に聞く ~
EBM(エビデンス・ベースド・メディシン)。「証拠に基づいた医療」という意味で、それを縮めて、エビデンスという言葉が医療の現場で頻繁に聞かれるようになっています。
例えば、卵巣癌の場合、25年ほど前にプラチナ(白金)系の抗癌剤が登場して、大きな効果が得られることが分かりました。肉眼的に卵巣癌を切除してから、プラチナ系の抗癌剤を使うことで再発を低く抑えることができます。現在、どこの病院でも、卵巣癌摘出手術後にプラチナ系抗癌剤を使用しています。これがエビデンスということになります。
抗癌剤の使用は厳しい副作用などから患者への負担が大きく、さまざまな雑誌などでいくつかの抗癌剤に効果がないことも喧伝されてきました。つまり、プラチナ系抗癌剤の登場以前のさまざまな抗癌剤には、エビデンスがなかったものがあったのです。
インフォームドコンセントを受ける場合、患者は、その治療方法にエビデンスがあるのか、どうか聞くことができます。医師は、卵巣癌手術後のプラチナ系抗癌剤についてエビデンスがあることを説明できます。
エビデンスが法律のように明白で、ほとんど変わらないものであれば問題ありません。しかし、医療の世界では、きょう正しいと思っていたことが、あすには間違っている場合もあります。医学論文は年間200万件発表され、その中には科学的には適正でないものも多くあります。プラチナ系抗癌剤についてのエビデンスも、さらに新たに強力な抗癌剤が登場すれば、そちらにエビデンスがあるということになります。
また、医者がどんなに説明しても、患者の理解度はそれぞれ違います。本院でも途中まで聞いていて「すべて先生に任せます」とおっしゃる患者がいます。患者にとって、最も大切な自分自身の生命が掛かっているのです。「医者を選ぶも寿命のうち」ではなく、患者は受診する治療についてエビデンスあるのか、どうか医者に聞かなければなりません。
この記事は2005年3月27日現在の状況を元に作成されたものです。
その後さまざまな変化があることはご了承ください。
