- トップページ >
- コラム・広報誌 >
- やさしい患者学研究会 >
- エビデンス 2
エビデンス 2
~ 最良の治療法を模索 ~
日本医療機能評価機構は主要な病気の診療ガイドライン(指針)をホームページで一般公開しています。
脳梗塞、くも膜下出血、糖尿病、ぜんそく、肺癌、乳癌、胃潰瘍、急性膵炎、脳出血の九疾患を各学会や厚生労働省研究班が作成したガイドラインから、日本医療機能評価機構の選定委員会が科学的根拠に基づく質の高いもの、すなわち、エビデンスあるものとして選出しています。
ただし、ガイドライン、エビデンスと簡単に割り切れない場合も多いのです。
例えば、以前から、逆子のお産の場合、正常分娩では、生まれてくる赤ん坊に障害を持つ可能性が高まるという指摘がありました。ですから、帝王切開ということになります。二年ほど前、米国の医学論文で疫学的な調査でそれを裏付けるような結果報告がありましたから、米国では逆子の場合、帝王切開で取り上げることがエビデンスになっています。
帝王切開となれば、当然、母親への負担は大きく、肺梗塞などで全国的には、年間十件ほどの死亡例があります。本院の場合、逆子ではなく、二児を正常分娩で生んだ母親に、もし三児目が逆子であったとしても、正常分娩で取り上げることに問題がないことを経験的に説明しています。
米国の場合、日本と違い、訴訟が頻繁に行われるため、エビデンスに基づく医療の必要性が求められます。
日本でもエビデンスという考え方が重要視されていますが、それぞれの患者を診察しながら、何が患者にとって最良かを説明して、治療方法を決めていきます。エビデンスという考え方が出てきて、できるだけ患者のために情報を公開していく努力はしなければなりません。
患者の性別、体重、身長、年齢が全く同じだとしても、使用する薬剤の効果が同じとは言えません。それぞれの患者によって違うものです。医学のエビデンスは確定しているものではなく、個々人によって変化し、さらに医学の発展とともに変わっていきます。
この記事は2005年4月3日現在の状況を元に作成されたものです。
その後さまざまな変化があることはご了承ください。
