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検査のインフォームドコンセント 5 脳血管造影
~ 合併症の危険も考慮 ~
脳血管の造影検査は体内(血管内)にカテーテルと呼ばれる細い管を挿入して行うため、合併症等の高い危険性を伴います。多くは、血液の小さな塊が血管に詰ってしまい、脳梗塞を引き起こすことがあります。手足の麻痺やしびれといった一次的な神経障害が、100人に1人から2人生じる可能性があり、さらに、重篤な後遺症が残る場合が1000人に1人程度あります。
この検査はカテーテルを体内の血管内に挿入し、先端を首(頸動脈)まで進め、そのカテーテルから造影剤を注射しながら、X線撮影を行います。それだけに、カテーテルのスムーズな操作が必要であり、経験豊富な脳血管撮影を専門に行う放射線科医、脳神経外科医を選んだほうがよいでしょう。本院では年間120例程度の検査を行っています。
しかし、医師の技術の問題だけではなく、患者の状態によっては、カテーテルでは見えないところでの血塊が飛んでしまう場合もあり、他の検査に比べて危険性が高いことを認識すべきです。脳梗塞を引き起こした場合、緊急血栓溶解剤の使用などの治療、その後の運動療法(リハビリテーション)が必要になることもあります。
70歳以上の高齢者、動脈硬化のために血管が蛇行している患者の検査は困難で危険です。現在では、太い血管内の病変は立体的CT、MRI(磁気共鳴装置)で詳しく分かるようになっているため、できるだけ、脳血管造影検査は行わない方向にあります。しかし、細い血管の病気、例えば、未破裂動脈瘤、脳動静脈奇形などはCT、MRI診断では血管の蛇行を瘤ととらえてしまうなど精度が落ちます。このため、血管造影検査を行い、確定診断が必要になります。栄養血管(脳腫瘍に栄養を運ぶ血管)の多彩な脳腫瘍でもやはり、血管造影検査が必要です。
その他の副作用では、脳梗塞以外に、造影剤に対するアレルギーなどの危険性もあります。
検査自体は麻酔を使いますので、痛み、苦しさなどはありませんし、1時間程度で終了します。患者は合併症の危険度を考慮して、検査を受けるかどうか判断しなければなりません。
この記事は2005年5月29日現在の状況を元に作成されたものです。
その後さまざまな変化があることはご了承ください。
