- トップページ >
- コラム・広報誌 >
- やさしい患者学研究会 >
- 腎生検
検査のインフォームドコンセント 9 腎生検
~ 緊急体制整った病院で ~
腎生検は腎炎の原因を確定するためのものです。危険性を伴う検査ですから、輸血や緊急処置を素早く行える体制の整った病院を選ばなければなりません。
本院では、超音波診断で腎臓の位置を特定した上で、バイオプティガンと呼ばれる生検針を背中から突き刺して腎臓の皮質部分をほんの少し採取します。局所麻酔をしますから、痛みなどはありません。高度な専門技術を必要とするわけではありませんが、3人の医師が立ち会い、採取した検体を素早く組織標本に回します。
腎臓の皮質部分にも細い小動脈が通っています。このため、十分な止血を行わないと大量の出血で患者の生命が脅かされる危険性が生じます。10000人に1人の割合で、大量出血によって緊急の腎塞栓術や腎摘出などが必要になることがあります。
この他、腎生検の副作用として生検針を突き刺した時の迷走神経反射による血圧低下、生検後の出血による腎周囲血腫、腎動脈瘤、感染などの恐れもあります。検査後は翌朝まで絶対安静が必要ですし、抗生剤を投与しながら安静度を緩和していきます。
腎炎から腎不全に移行して、ついには人工透析を受ける生活は非常に不便です。腎炎の段階で何とか治療できればいいわけですが、腎炎にはさまざまな種類があります。どんな腎炎か分からなければ、有効な治療を行うことはできません。当然、ステロイド剤を使い腎炎を治療できれば、腎生検を行う必要はありません。ステロイド剤の効果がない場合、腎炎の確定診断をしなければならないのです。
腎臓は数多くの糸球体からできています。その糸球体が8個以上あれば、確定診断ができます。本院では年間12例程度の腎生検を実施しています。
また、腎生検には、全身麻酔を施し、背中から開いて、腎臓の一部を採取する方法もあります。こちらであれば、糸球体100個以上を採取でき、止血などの処置は十分に行うことができます。ただし、1週間以上の入院とそれに伴う費用が掛かります。
手術方法を含めて専門医とよく相談しほうがいいでしょう。
この記事は2005年6月26日現在の状況を元に作成されたものです。
その後さまざまな変化があることはご了承ください。
