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薬のインフォームドコンセント 1 抗癌剤
~ 自分に合った治療法を ~
癌と呼ばれるものは200種類もあります。癌の種類によって性質は異なり、治療法も違います。早期発見、早期治療した癌は治癒(完治)する可能性は高いのですが、進行した癌で発見されると、他臓器への転移もあり外科的治療、放射線治療、化学的治療(抗癌剤治療)を並行しても治らないことが多いのです。 しかし、あきらめてはいけません。
ほんの10年ほど前まで抗癌剤治療に大きな効果が望めず、それなのに副作用による生活の質が大きく損なわれることから「患者よ癌と闘うな」という医者らからの批判がありました。現在では、大きく事情が違っています。進行癌でも抗癌剤で治療できるものも出てきましたし、さまざまな抗癌剤を組み合わせ、患者によって量を変えたりして治療する方法などで大きな効果を出しているのです。
薬の分類上「毒薬」「劇薬」とされる抗癌剤の副作用が厳しいことはよく知られています。癌細胞だけでなく、正常細胞も攻撃してしまうからです。どんな優れた抗癌剤も副作用から逃げられません。抗癌剤を投与すると血圧低下、不整脈、めまい、発熱、嘔吐などが起きます。2,3日で全身倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐、1週間後から2週間で口内炎、下痢、食欲不振、2週間以上経過すると臓器障害、脱毛、神経障害などつらい症状とも闘わなければなりません。
抗癌剤治療で癌は治ったけれど、体が持たないのでは意味がありません。抗癌剤治療では心臓の評価が重要です。さらに、血液検査で白血球減少、腎臓、肝臓の多臓器不全への注意は怠ることはできません。
多くの患者が抗癌剤治療を恐れる原因の一つとなっています。
本院の75歳の乳癌の女性患者の事例です。乳癌切除の後、5年後に肺に転移が見つかり、再発しました。抗癌剤治療を続けましたが、3年前に皮膚にも転移が見つかりました。1ヵ月間、抗癌剤治療を続けていて、患者からは「もう耐えられない」という訴えがあり、さらに、白血球の数値が下がったため、抗癌剤治療を取りやめました。肺、皮膚の癌の大きさに変わりありません。ところが、どういうわけか、癌が活動を休止してしまいました。この3年間、患者は癌と共存して暮らしているのです。
抗癌剤治療をどのように行うのか。個々の患者は自分に最も適した治療法を模索しながら癌と闘わなければなりません。
この記事は2005年8月*28日現在の状況を元に作成されたものです。
その後さまざまな変化があることはご了承ください。
