- トップページ >
- コラム・広報誌 >
- やさしい患者学研究会 >
- 麻酔
薬のインフォームドコンセント 9 麻酔
~ 専門医の存在不可欠 ~
歯科、眼科医らが短時間で行う手術の局所麻酔だけでなく、麻酔専門医が行う局所麻酔、全身麻酔であれ、危険性は全て同じだと考えるべきです。麻酔薬を過量に投与すれば、合併症などの危険性を引き起こすことを十分承知していなければなりません。
ただし、現在、麻酔科学会に報告されている麻酔による重大事故はほとんどありません。本院でも麻酔に由来する死亡事故は20年以上起きていません。麻酔専門医は100%の安全性を目指して、麻酔を担当します。安全に管理さえすれば、麻酔そのものは安全性が高く、危険を及ぼすものではありません。
例え、手術中に何らかのアクシデントがあったとしても麻酔科医は万全の対応を取ります。麻酔科医が心電図、血圧計、体温計、尿量測定などのモニター、点滴を管理しているからです。
呼吸機能や肺のガス交換機能、心臓の状態を測定する機械「パルスオキシメーター」も重要な役割を果たします。麻酔専門医はモニターを監視して、患者の状態を管理しています。病院によってはパルスオキシメーターが配置されていないところがあります。パルスオキシメーターが配置されているのか聞いてみましょう。
全身麻酔は神経の中枢である脳そのものに麻酔を掛けて鎮静を図ります。局所麻酔に比べて体に対する負担は大きい麻酔ですが、管理さえ十分に行えば、安全性に問題はありません。何度も繰り返しますが、麻酔薬そのものが直接生命に危機を及ぼすことはありません。
しかし、高齢者や体の弱い人には脳に麻酔が掛かることで自律神経系のバランスが崩れる場合があります。ふだんは意識して行っていない呼吸、血圧といった生命維持の大切な反応が低下します。そのバランスを整えるためにいろいろな薬を使用する場合があります。薬を代謝する肝臓、腎臓などに負担が掛かりますし、呼吸が止まるために人工呼吸器を使いますので、短時間とはいえ、肺に影響が出ます。
麻酔は外科治療では必要なものですが、麻酔そのもので疾患は治りません。しかし、特に手術中の患者の状態をしっかりと把握するのは麻酔医です。
県内でも麻酔科常勤医の不在が深刻です。麻酔専門医について聞いてみてください。特に全身麻酔を掛けるような手術の場合、麻酔専門医の存在は欠かすことはできません。
この記事は2005年10月23日現在の状況を元に作成されたものです。
その後さまざまな変化があることはご了承ください。
