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薬のインフォームドコンセント 11 インスリン
~ 高血糖抑え合併症阻止 ~
糖尿病はブドウ糖が血液中にたまり、高血糖の状態を指します。その状態が長く続くと、血管や神経が次第に傷み、目や腎臓、神経などの障害を引き起こします。膵臓からインスリンの分泌が減り、血液中のブドウ糖を体の中でうまく利用できなくなり、高血糖になってしまいます。糖尿病治療の基本は、合併症を起さないようにすることです。
インスリン注射が登場して、糖尿病は怖い病気ではなくなりました。インスリン注射を受けることで糖尿病を悪化させず、合併症を引き起こすことを避けることができるからです。インスリンの効能は血糖値を下げることですから、逆に低血糖になってしまうことがあります。高血糖状態では何らの症状はありませんが、低血糖では急に体の調子がおかしくなり、意識がもうろうとし、ひどくなると昏睡に陥ることもあります。
ですから、インスリンの最大の副作用は低血糖とも言えるのです。それだけ効く薬というわけです。さらに、脂肪の合成を促進しますから、太りやすくなります。食事のコントロールが必要になります。
面倒なのは日常生活の中でインスリン注射を患者自身が行うことです。それだけ慎重になっていました。約十年前までは患者はどうにも追い込まれないと、インスリン注射に移行しない傾向にありました。インスリンは最後の手段と考えていたせいか、結局、合併症で苦しむ患者を多く見ています。最近の調査では、8割以上の患者がインスリン注射は簡単と答えています。
糖尿病は2つのタイプに分けられます。1型は自己免疫異常などがきっかけで、膵臓の細胞が破壊されインスリンは分泌しなくなり、インスリン治療は不可欠です。2型はインスリン分泌が低下し、細胞でのインスリンの効きが悪くなるタイプです。こちらは食事療法と運動療法が有効です。高血糖が続きましたら、迷わずインスリン療法を選びましょう。
1997年に690万人だった糖尿病患者は2002年には740万人と、わずか5年間で50万人も増えていますが、治療に当たる糖尿病専門医は非常に少ないのが現実です。低血糖への対症療法を含めて、患者自身が血糖値の推移を十分承知しているべきです。
この記事は2005年11月6日現在の状況を元に作成されたものです。
その後さまざまな変化があることはご了承ください。
