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良性腫瘍
~ 「悪性」との違い理解を ~
良性腫瘍。悪性腫瘍が癌であることはよく知られていますが「良性」はことば通りの意味ではなく、悪性ではないという意味くらいに理解すべきです。
悪性腫瘍は転移を起して、治療をしないと生命にかかわります。良性腫瘍は転移しませんし、生命を脅かすことはほどんどありません。摘出してしまえば、再発することもありません。しかし、脳の良性腫瘍のように治療しないと生命にかかわるものもあることを忘れてはなりません。
子宮筋腫は産婦人科で最も多い良性腫瘍です。子宮は平滑筋という筋肉でできています。その一部が腫瘍化してこぶができる病気です。筋腫の場所などによって月経過多になり、貧血気味になります。月経困難症で痛みがひどく、仕事などができない方もいます。また、一部ですが、筋腫のために不妊の原因となっていたり、妊娠していても子供が育たない不育症もあります。子宮筋腫がある女性のうち、10%程度で治療が必要です。
子宮筋腫は女性ホルモンで大きくなりますから、閉経後に小さくなります。脳下垂体ホルモンを使った薬剤が子宮筋腫を小さく抑えます。治療中は月経もなくなりますから、痛みも全く消えてしまいます。薬剤の使用をやめると再び子宮筋腫は以前のように大きくなります。しかし、使用後6ヶ月を超えると、骨がもろくなるなどの副作用が強くなるため、長期に使用できません。
薬剤は、貧血が強くてすぐに手術できない患者、仕事の都合で摘出手術を延期したい患者や閉経間近の人などに使用します。医者は今後の見通しなどを話して、手術をどうするのかなど患者に判断してもらいます。
卵巣の良性腫瘍もあります。こちらは子宮筋腫と子宮癌の区別ほど簡単ではありません。CTなどによる画像診断、血液による癌マーカーなどでは確定診断できない場合が多く、摘出後、病理診断して確定されます。悪性と良性の灰色ゾーンと言えば、いいのでしょうか。卵巣癌をそのままにしておけば生命にかかわりますから、90%以上良性腫瘍の確率が高いとしても摘出することを奨めています。
この記事は2005年11月20日現在の状況を元に作成されたものです。
その後さまざまな変化があることはご了承ください。
