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手術のインフォームドコンセント 4 合併症(2)
~ 納得いくまで質問を ~
合併症は2つの意味で使われています。一般には手術後の出血、脳梗塞、感染症や肺炎、腸閉塞など手術に伴う合併症です。これに対して、たとえ手術が成功したとしても、病気に伴う次の症状として起きる可能性がある合併症があります。
クモ膜下出血の合併症で説明します。
クモ膜下出血を起すと、脳の血管は自動的に収縮して、破裂した部位からの出血が抑えられ、かさぶたができて、一時的に止まります。しかし、再び出血する可能性は非常に高くなります。
再出血を起すと死亡率は一気に50%を超えます。このため、クリッピング術とコイル塞栓術で再破裂を防止する処置を行わなければなりません。クリッピング術は開頭手術によって顕微鏡を用いて脳動脈瘤に金属製クリップを掛けてつぶす標準的な治療です。
一方、コイル塞栓術はマイクロカテーテルを使い、脳動脈瘤の中にプラチナコイルを挿入し、血液の流れを止めます。本院では各患者の全身状態、脳動脈瘤の部位や形、大きさなどを考慮して治療法を選択しています。手術を行うことで、頭蓋内出血、脳梗塞、手術後の感染症、他臓器への合併症などを引き起こす可能性があります。
たとえ、手術が成功、再出血を防ぐことができたとしても、安心できません。クモ膜下出血に関係する症状として、10人中3人に脳血管攣縮が起きるのです。こちらも合併症と呼んでいます。脳血管攣縮はクモ膜下の周辺に広がった血液の刺激によって脳血管が細くなり、脳の血流が悪くなる症状です。多くは、クモ膜下出血後4日から14日の間に生じます。
脳血管攣縮によって脳血流が悪くなった場合、脳組織が壊死(脳梗塞)して、脳梗塞を起します。
さらに、クモ膜下出血後、急性水頭症があり、早期から出現します。クモ膜下出血が起きると、その血流によって髄液の流れがせき止められ、脳の中に髄液がたまります。これが水頭症です。痴呆、尿失禁、歩行障害などの症状が現れます。
脳血管攣縮では予防、治療、水頭症では治療を行いますが、死亡、あるいは重大な後遺症を避けられないことがあります。
治療にはさまざまな問題がありますが、一度、破裂した動脈瘤の危険性を認識しなければなりません。患者は合併症の危険性について、納得いくまで医者に聞いてみるべきです。
この記事は2005年12月25日現在の状況を元に作成されたものです。
その後さまざまな変化があることはご了承ください。
