- トップページ >
- コラム・広報誌 >
- やさしい患者学研究会 >
- 麻酔専門医
手術のインフォームドコンセント 6 麻酔専門医
~ 「安全」最優先が役割 ~
手術前日、麻酔科医は患者の病室を訪れ、これまでの検査結果などを含めて患者が全身麻酔に耐えられるかなどをチェックします。血圧、心拍数など患者のプロフィルを書き込んでいきます。ほぼ2、30分間で問診を行います。この問診を基に麻酔計画を作成します。
患者は、麻酔科医に自分の体調やアレルギーの有無などなるべく詳細に伝えておくべきです。たとえ、麻酔薬の投与直後にアナフィラキシーショック(急性アレルギー)が起きても、麻酔科医は即座に対応できます。
患者が手術室に入り、主治医の確認を終えた後、麻酔の導入(静脈注射で患者を眠らせること)が始まります。当然、導入前に患者の状態を再チェックします。点滴路を確保して、血圧計や心電図を装着。麻酔計画表に沿った麻酔薬はすべて麻酔医が用意すべきです。事故を防ぐための重要な危機管理です。ゴムマスクを付けて呼吸状態を確かめて全身麻酔に移ります。
麻酔医は言うなれば「手術室の内科医」です。心電図、血圧計、体温計とともに尿量測定、呼吸機能などを測定するパルスオキシメーター、二酸化炭素モニターを管理します。心筋梗塞、気胸、大量出血など何らかの重大な合併症が起きた場合、手術中に主治医にストップをかけるのも麻酔医の任務です。
専門性の高い心臓、脳神経、肺などの外科医は手術に集中していて、患者の全身状態まで知ることはできません。血圧、心電図など患者のバイタルサインの変化が単なる一過性のものか、重大な結果をもたらすものかを判断できるのは麻酔科医であり、合併症の重大な兆候を見逃さないよう厳重に監視、治療を行っています。
麻酔科医の指示に従って、執刀医は手術を一時中断して、患者の状態を確認するなど作業を行うはずです。執刀医と麻酔科医の連携が取れていなくては、このような指示を出しても無駄になります。手術中、患者の安全を最優先するのが麻酔科医の役割です。
本院では常勤麻酔専門医は6人。8手術室があり、研修医らとともに麻酔医として個々の手術を担当します。常勤麻酔科医不足が叫ばれています。麻酔科医が常勤しているか、どうかを聞くのはもちろんです。さらに、患者の生命を守る役割を十分、心得た麻酔専門医のいる病院を選ぶべきです。
この記事は2006年1月15日現在の状況を元に作成されたものです。
その後さまざまな変化があることはご了承ください。
