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手術のインフォームドコンセント 9 臓器移植
~ 国内では依然抵抗感 ~
腸捻転で重度の腸閉塞を発症、小腸と大腸の大部分を失い、米国マイアミ大ジャクソン記念病院で、小腸、胃の一部、大腸、肝臓、膵臓、脾臓の6臓器同時移植を受けた1歳の大橋陽佑ちゃんが帰国、順調に回復しているというニュースが2005年10月に流れました。陽佑ちゃんは日本人初の多臓器移植と伝えられました。日本では15歳以下の子供の臓器提供ができませんから、多くの子供たちが海外で臓器移植を受けるニュースが流れます。
陽佑ちゃんを救う会のホームページによりますと、手術費用、渡航滞在費などで約1億580万円を支出した、とあります。詳細は不明ですが、2004年8月からスタートした募金による入金額約1億3,400万円。募金だけで十分賄えたようですが、いずれにしても、海外での子供らの臓器移植は非常に多額の費用負担を強いられることが分かります。
これに対して、脳死肝移植、腎移植が中国、コロンビアなどで行う場合、欧米に比べて費用負担が非常に少なく、多くの日本人が出掛けていることも知られています。当然、海外からは「金で臓器を買っている」という批判を受けています。
2005年10月に浜松医大病院で39例目の脳死臓器移植が行われました。心臓は国立循環器病センター(大阪・吹田市)、肺は大阪大病院、膵臓と片方の腎臓の同時移植、肝臓の移植は北海道大病院、もう片方の腎臓は名古屋第二赤十字病院で移植されました。陽佑ちゃんが受けた多臓器移植など日本では視野にさえ入っていません。
本院の市田隆文教授(消化器内科)は、海外で脳死肝移植を受けた患者の拒否反応を抑えるため、免疫抑制剤の投与などを行っています。また、生体肝移植での仲介なども実施しています。
欧米などでは脳死臓器移植は日常的に行われています。これに対して、日本ではまだ、臓器提供に抵抗感が強い、脳死判定基準が厳しいなど多くの問題を抱えています。
1997年脳死による臓器移植法がスタートしてから、ドナー(提供者)は40例にすぎません。海外での手術を希望する患者、家族が多いのも仕方ありません。
海外での臓器移植を含めて、さまざまな質問を受けるトリオ・ジャパンが1991年に設立されています。問い合わせは同事務局<電話03(3940)3191>へ。
この記事は2006年2月12日現在の状況を元に作成されたものです。
その後さまざまな変化があることはご了承ください。
