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手術のインフォームドコンセント 12 医療過誤 3
~ 知識を身に付け対応 ~
医療事故を疑った時、どのようにすべきか。医療側の説明を聞いても納得できず、最終的に訴訟まで考えるかもしれません。年間約400件の医療過誤訴訟が起きていますが、そのうち、和解に至るのが約4割、判決となった場合、原告勝訴率は約2割しかありません。手続き、費用面などから訴訟を考えてみます。
まず、弁護士事務所に相談に訪れますと、30分間で5千円から1万円の範囲で相談料が掛かります。ですから、短い時間内に要領よく説明すべきです。どんな病気だったか、医療事故の発生前後の状況、医者の説明、医療事故だと考えたきっかけなどをメモにして整理しておかなければなりません。
弁護士はここまで聞いても、病院ないしは医者に医療ミスがあったのか、どうか判断できません。提訴に踏み切るかどうかを判断するために、裁判所にカルテ、画像診断記録などを押収してもらう「証拠保全」という手続を取ります。
静岡医療事故研究会の阿部浩基弁護士の場合、弁護士手数料、カルテなどのコピー代、カルテの翻訳費用、協力医への謝礼などで40万円から50万円前後の費用が掛かるとのことです。
カルテなどから、医療側の不法行為あるいは債務不履行があったと判断、訴訟に踏み切った場合、着手金、報酬金、収入印紙代、郵便切手、コピー代、交通通信、宿泊、弁護士の日当、大学教授らの鑑定謝礼などの費用が原告負担となります。当然、どのような裁判かによって費用は大幅に変わってきます。
40代の働き盛りの男性が亡くなり、今後稼ぐであろう逸失利益、家族への慰謝料などで5千万円請求した、とします。阿部弁護士の場合、着手金30万円から50万円で、報酬金は10%です。5千万円の支払い判決ならば、500万円が報酬金です。実費として印紙代17万円、切手1万円程度、大学教授らの鑑定謝礼20万円から40万円など。裁判費用として最低でも100万円程度は必要、ということが分かります。
弁護士はどのように選ぶことができるでしょうか。県内には静岡医療事故研究会という弁護士らでつくる組織はありますが、医療事故専門の弁護士はいません。患者、家族らは率直に、医療過誤裁判の経験がどのくらいあるか、弁護士に聞くべきです。それで怒り出すようでしたら、違う弁護士を探したほうがいいでしょう。
医療過誤訴訟は増える傾向にあります。患者自身がしっかりとした知識を身に付けて医者、弁護士と対応すべきです。
この記事は2006年3月12日現在の状況を元に作成されたものです。
その後さまざまな変化があることはご了承ください。
