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梅雨の時期の関節痛の対処方法は?
エクスパートインタビュー
司会:消化器内科教授 市田隆文
対談者:整形外科教授 金子和夫
【司会】1つのテーマは腰・肘などの関節の痛みが、何故起こるかいうところを教えていただきたいのですが。
【金子】大きく2つに分かれると思います。1つは使いすぎですね。労働とかスポーツとかそういうもので許容範囲をこえた運動あるいは仕事によって負担がかかって痛む、それが1つ。もう1つは変性疾患、いわゆる変形性関節症、例えば膝が一番多いと思います。変形膝疾患症。それと肘だとリウマチなどと思いますが、変性疾患がもともとあって痛みが生じる。大きく分けると2つだと思います。まったく正常な状態であるにもかかわらず使い過ぎで痛みがでる場合と、関節にある軟骨の変性があるために痛むというのがあります。
【司会】なるほど。何か梅雨とゆうかじめじめするような時になると痛みが増すとよく言いますが、果たしてそれは本当ですか?
【金子】梅雨の時期に関節とか筋肉痛、あるいは肩こりが生じやすいというのはやはり湿気との関係です。湿気によって汗腺の調節がうまくいかなくなり自律神経系のコントロールが効かなくなってくると言う説があります。実験的に気圧の低い湿度の高い部屋に一定時間入れて、痛みの具合を計測している実験からやはり湿気と気圧がかなり影響してくることが分かっています。
【司会】一般的な話ですが使い過ぎは冷やして、変性疾患は温めたほうがいいのかなというイメージがありますがどうですか?
【金子】おっしゃるとおりです。冷やすというのは急性期の痛み、急性期炎症を緩和させるので、急性期疾患は冷やす。それからリウマチとか変性疾患、すなわち変形膝関節症、股関節や指の変形性関節症など慢性疾患は温める方がよろしい。
【司会】温めると言うのはいろいろなパップ剤もあれば、このあたりでしたら温泉とかもありますね。
【金子】そうです。湿布の場合はですね、温湿布がありますが、温湿布というのはどうやら、それほど体内の温度を上げるというところまではいってないようです。
【司会】上げてない?そうですか。でも、局所の血流はあげるから、治りやすくなりますよね。
【金子】もちろん、局所は効果ありますが、せいぜい二度くらいあげていますでしょうか。
【司会】そうですか?それに対して入浴、いま先生がおしゃった温泉とかは全体的に血流を上げる。ですから、よく患者さまに冷湿布がいいのか、温湿布がいいのかと聞かれますが、温湿布で血流がよくなると言うのはほんの局所だけということになりましょうか。消炎鎮痛剤を使うことがあります。
【司会】一般にそれはどれくらいに使うのですか?漠然と使ってもよくないですね。
【金子】大体まず1~2週間。だいたい1~2週間で効果がでてきます。効かない方は2週間使っても変化がないということが多いようです。
【司会】先生の整形外科で最終的なのは手術ということになりますね。各論的に腰痛、膝・股関節も含めてどういうのを薬物治療にするのか、そういう基準は何かあるのですか?
【金子】原則的には整形外科疾患は、保存的治療が主体となります。手術以外のことをまず考えます。その中にはいまお話がありました薬物療法、それと非常に重要なウエイトを占めるのはリハビリテーションですね。理学療法です。
【司会】なるほど。【金子】それは通院していただいて、局所を十分温めること、すなわちホットパックとかあるいは電気治療とかです。腰痛ですと牽引治療、理学療法、あるいは物理療法を主体に治療するということになります。
【司会】それは急性期が終わってまだ残っている場合とか、あるいは変性疾患でなかなか難しいのは理学療法ですね。
【金子】そうです。急性期よりもむしろ慢性期の疾患、慢性の腰痛症、あるいはリウマチの患者さまですね。
【司会】理学療法的な事をやっても効果がないというような場合は手術適用になるのですか?例えば腰痛でしたらどのような適応ですか。
【金子】腰痛でわれわれが手術適応を考えるのは、若年性の20~30代に多い腰椎椎間板ヘルニア、それと50歳を超えて生じる脊柱間狭窄症、長期間歩けなくなる。どうもおしりのあたり、あるいは足のしびれがある。その中でも麻痺は非常に気を付けなくてはいけません。例えば足の筋力が落ちたり、スリッパが脱げてしまったりとか、つま先立ちができなくなるとかそういう下肢の麻痺を合併する場合など。また、もう一つ重要なサインは膀胱直腸障害です。
【司会】膀胱直腸障害というと、わかりやすくいいますと?
【金子】頻尿であるとか、まったく尿が出なくなるとか。それと便秘が消化器系の原因ではなくて、神経因性の便秘、便意がないといった症状です。
【司会】なるほど。こういう2つの症状があればそれはもうリハビリしても治療効果は低いので、むしろ外科的に手術した方がいいということですね。
【金子】手術をしないと麻痺は戻ってこない場合があります。
【司会】手術適応と理学療法と薬物療法と、急性期ということで結構奥が深いですね。
【金子】そうですね。それと最近ですと変形性膝関節症、あるいは腰痛もそうですが、グルコミンサン、これは薬物ではないですがいわゆるサプリメントですね。
【司会】ほう、サプリメントですね。
【金子】これは伊豆地方にも非常に関係しているのですが、海老とか蟹とかの甲羅をすりつぶして粉末にしたものを原料としています。
【司会】なるほどね。海老は丸ごと、桜エビなどはしっかり食べた方がいいということですね。どうもありがとうございました。
