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心筋梗塞について
エクスパートインタビュー
司会:看護師長 田中 ひとみ
対談者:循環器科 准教授 住吉 正孝
【司会】心筋梗塞はどんな病気ですか?
【住吉】心筋梗塞や狭心症は、心臓を栄養している血管である冠動脈の血液の流れが障害されて起こる病気です。多くの場合、動脈硬化が原因となりますが、狭心症では冠動脈の壁にコレステロールなどが溜ってできたプラークや血の固まりである血栓により、血管が狭くなり、労作時などに一過性の血流障害が生じ胸痛が出現します。これに対し、心筋梗塞は血管壁のプラークが破れて、そこに新たな血栓が生じ、血管を塞いでしまうことにより心臓の筋肉の一部が死んでしまうために起こります。(図)。
【司会】心筋梗塞はどの様な症状がでますか?
【住吉】典型的な症状は胸の中央部の激しい痛みで、30分から数時間続きます。7割から8割の患者さまが前胸部の圧迫感、胸に重いものを乗せられたような重圧感、焼けるような胸の絞扼感、または胸の不快感を訴え、通常、冷汗を伴います。
胸痛はしばしば、のどや顎、左手に放散し、吐き気、嘔吐、腹痛など消化管の症状を伴うこともあり、胃潰瘍と間違えられる場合もあります。
また、胸痛など典型的な症状を伴わないこともあり、何となくだるいとか調子が悪い、といった症状で受診し、心電図を取ってみたら急性心筋梗塞だった、ということもあります。
【司会】どのような検査で心筋梗塞と診断されますか?
【住吉】まずは心電図を記録することが大切です。
先程お話したような典型的症状、すなわち前胸部痛があって、心電図で急性の心筋梗塞を示す所見があればすぐに診断できます。
心電図で明らかな変化が認められない場合は血液検査が決め手になります。心臓の筋肉が障害された時に、血液中に出てくる物質を調べることにより、心筋梗塞を診断することが可能です。
【司会】心筋梗塞の治療はどの様なものがあるのですか?
【住吉】急性心筋梗塞では入院治療が原則で、通常は治療の方針を決めるために、心臓を栄養している冠動脈の造影検査を緊急で行います。
発症から数時間以内で、胸痛が持続している場合や、心電図の変化が強い場合は血栓を溶かす薬を使用したり、心筋梗塞の原因となった血管をバルーンという細長い風船で広げたり、ステントといった金属を使って直接血管の治療を行います。
【司会】心筋梗塞を起こさないために日常から気をつけることはありますか?
【住吉】心筋梗塞の予防、すなわち動脈硬化の予防ということになります。動脈硬化は生活習慣病ですから、生活習慣を見直すことが必要です。まずは、禁煙と肥満の予防、コレステロールが高くならないための食事療法を行います。すでに太っている方は減量が必要です。
具体的には動物性脂肪をさけ、脂肪を制限して、野菜など食物繊維を多く取り、バランスの良い食事を心掛け、食べ過ぎに注意してください。
飲酒は、適量では動脈硬化を予防する、と言われており、ビールなら350ml、日本酒なら1合程度までが良いとされています。定期的な運動も大切です。週に3、4回、30分から1時間程度のウオーキングや水泳が良いとされています。
また、ストレスを溜めないように、休みの日には家族と過ごしたり、趣味やスポーツで気分転換を図ることも大切です。
