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カンガルーケアのすすめ
~出産後早期に赤ちゃんとお母さんが一緒にいることの大切さ~
出産の瞬間から1~2週間が母性の成熟で最も大切な時期と言われています。
出産直後お母さんの体の中にはプロラクチンが1~2時間にわたり急速に分泌されます。このプロラクチンというホルモンは催乳ホルモン、あるいは母性愛ホルモンとも呼ばれ、母性を目覚めさせるホルモンです。
一方、生まれたての赤ちゃんの体の中にはカテコラミンが生後30分をピークに分泌されます。このカテコラミンは赤ちゃんの五感を研ぎ澄まし、ぱっちり目覚めさせる作用をもっていて、出生直後からお母さんに抱かれ肌のぬくもり・におい・声・おっぱいの味を通してお母さんの存在を認識すると言われています。これを刷り込み現象と呼び、鳥では早くから理解されていましたが、人間の赤ちゃんにもある程度その能力があるようです。
この出産直後の生理は、母と子が一緒にいることで初めて意義があります。出生直後に乾いたタオルで羊水を拭い取り、お母さんの胸に赤ちゃんを寝かせると、新生児は初めてベタッと横たわっています。お母さんもベタッという感じで抱きしめます。
出産を無事終えたという幸福感や「この子は私が産んだ子なんだ」という思いがあります。赤ちゃんは5分ほどすると目を開けようとし、目が開くとお母さんは赤ちゃんと目線を合わせようとします。さらに5分ほど経つと、赤ちゃんは体を持ち上げたり、ときどき自分の手をなめながらお母さんのおっぱいににじり寄っていきます。30~50分でお母さんのおっぱいに到達した赤ちゃんは、口を大きく開け、何回もくり返しながら乳輪をとらえようとします。そして、うまく乳輪をとらえることができた赤ちゃんは吸い始めます。
この赤ちゃんの吸う刺激によって、お母さんの体の中ではプロラクチンは再び一気にピークに達します。それと同時に、オキシトシンというホルモンも分泌され、子宮を収縮させたり、快楽ホルモンとして働き、わが子とともにあることの至福感を引き出していきます。
また赤ちゃんにとっては、お母さんと一緒にいることで不安で泣くことが少なくなり、お母さんに温められるため体温低下も少なくなります。二次的なカテコラミン分泌を抑制するため、肺の血流が増加し、肺液の吸収がスムーズとなり、赤ちゃんの呼吸の安定にもつながります。
