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母乳はいつまでのませたらよい?飲ませられる?
母乳はいつまで飲ませたらよい?飲ませられる?
お母さんたちから、「母乳は1年すぎると薄くなって栄養がないからやめたほうがいいんですか?」という質問を受けることがあります。「そんなことはありませんよ」と答えていますがお母さん達にとっては悩んでしまうところですよね!そこで今回は母乳はいつまで飲ませられるのか?ということについてお話したいと思います。
まずは厚生労働省の見解から、離乳の開始はほぼ5ヶ月頃、離乳の完了の時期は遅くとも18ヶ月ころまでには完了すると述べています。以前は生後9ヶ月から1才頃に断乳の指導をしていましたが、母乳育児の心理学的な要素が重視され、1才以降も母乳を継続する旨が示されています。ユニセフ/WHOでは母乳育児は短くとも2才までは続けられるべきであり、生後6ヶ月の初めには母乳に加えて適切な補完食(離乳食)を開始すべきと述べています。 次に母乳の栄養面についてはどうでしょう。出産後にすぐに分泌される初乳には赤ちゃんを病気から守る免疫物質が含まれているのは皆さんもよくご存知のことと思います。しかし出産後1年たった母乳にも免疫成分は含まれています。たんぱく質や脂肪、熱量にも大きな差はないと言われています。ただ生後6ヶ月になると母乳だけでは鉄分が不足するため離乳食を開始していくことが必要となってきます。 また先程、厚生労働省が述べているように心理学的面からは、誕生日近い赤ちゃんはこの頃自立へと向け、お母さんの母乳を飲み安全基地で栄養と心の補給をしていろいろな冒険(外の世界へ興味が広がる時期)を始めます。こうのとりくらぶ夏号でも述べましたが、母乳をあげることは赤ちゃんにとって基本的安心感、信頼感を得るためには理に叶ったてっとり早いものです。 最後に長期に母乳育児を行うことでお母さんにもよいことがあります。ユニセフ/WHOによると乳癌と卵巣癌の罹患率がより低くなるというデーターがあるそうです。ですから母乳育児は1才を迎えたからといって止めなければいけないものでもないし、離乳食を始めたからといって止めなくてもよいのです。お母さんと赤ちゃん双方が十分納得いくまで母乳育児を楽しみ、2才頃までつづけてもなんら問題はありません。一方、お母さんと赤ちゃんがもう少しおっぱいを楽しみたいけれど、夫が早く離乳をすすめるといったケースもよくあるようです。このような場合も、夫によく自分の率直な気持ちを伝えてみて下さい。そして夫は何を思っているかのか十分に聞いてみましょう。積極的に夫の話を聞き、相手の気持ちを十分にくみ取るということは夫婦にとっても大事なことです。 長い一生のうち母乳をあげられる期間はほんのわずかです。この短い期間を母子共が楽しく育児ができてこその母乳育児です。わからないことや心配事は一人で悩ます゛私達産科スタッフまでどうぞ。
卒乳と断乳
乳離れの方法にはいくつかありますがここでは自然な乳離れ(自然卒乳)と急な乳離れ(断乳)についてお話します。
自然卒乳はお子様のほうから自然に飲まなくなるまで授乳を続ける方法です。徐々に乳離れすることができ無理のないやり方と言われています。ただし一歳以下で、おっぱいの出が悪かったり、乳腺炎などでおっぱいの味が変化したり、環境の変化や赤ちゃんが何かを感じたためおっぱいを嫌がるようになるのは自然卒乳ではありません。あくまでも今の段階から成長して自分から母乳をやめていく状態になっていくのです。母子手帳の記載も『卒乳』という表現で精神的、肉体的な母子のつながりを重視し、母乳をやめる時期を年齢で区切らず『自然な乳離れ』の考えを薦めています。
断乳とは親の決めた日に授乳を中止するものです。それには時期を見定め、その日に向けてお母様もお子様も心と身体が健全な状態でその日を迎えられるように努力していきます。
お母様が授乳に強いプレッシャーを感じていたり、疲れがひどい、仕事を始めるからなどこれしか方法がないと思い込みお子様の気持ちも考えずいきなり断乳するということがあります。そうした場合お子様への影響もありますし、おっぱいが張りすぎどうしてよいか分からなくなったり、乳腺炎になったり,しこりが残ってしまうこともあります。本当に断乳が必要なのか専門家に相談することも必要です。
最後に当院母乳外来の考え方と方法をご紹介します。
「自然に出なくなってしまった」「嫌がって飲まなくなった」「なんとなく飲まなくなった」という乳離れではなく、おっぱいをやめるという現実を受け入れた一人の「人間」への通過儀礼として断乳をサポートしております。断乳は母乳育児の総仕上げであり、お母さんにとっては「子離れ」、お子様にとっては人としての「自立の第一歩」と考えます。
断乳時期の目安
お子様が1歳を過ぎ2足歩行がしっかりできている
お子様の体調がよく、おっぱいをよく飲み離乳食も食べている
乳房のトラブルがなく、お母様の体調が良いとき
真冬、真夏、梅雨の時期・季節の変わり目は避ける
断乳の日の決定
断乳後に家族の協力が得やすい日程にしましょう
母乳外来に御来院下さい
断乳についてお子様に話していきましょう
断乳の日の朝
朝起きてすぐのおっぱいはしっかり飲ませましょう
「これで最後よ、しっかり飲んでね。」とはなしましょう。
いよいよ断乳
お子様に見えない所でおっぱいに絵をかきます。
絵の描き方等の詳細はご指導いたします。(描かない場合もあります)
朝食がすぐ食べられるように用意したら、お子様におっぱいを見せましょう。反応は様々です。
断乳後のお子様
今までと同じような内容の食事やおやつなど消化の良いものを与えます。小さなおにぎりなどを作っておくとよいでしょう。
スナック菓子やジュースはできるだけ控えましょう
水分はたっぷり与えます。薄い番茶などを冷やさずにすぐ飲めるように作っておきましょう。脱水症状(尿の色・回数・活気)に注意に注意しましょう。
日中は戸外で遊ばせましょう。夜も眠くなるまでたっぷり遊ばせます。
夜中におっぱいを欲しがりむずがる時は水分などを与えしっかり抱いてあげましょう
何度もおっぱいを見に来るので絵は描いたままにしておきます
2回目以降お子様に見せる時はおっぱいを触れさせないようにしましょう。
断乳後1~2日以内にお子様の発熱など異常が起きたら断乳中止です。
断乳後のお母様
おっぱいが張ってきますから5~6時間あけて搾乳しましょう。
3時間以内では搾らない すっきりと楽になるまで搾らない
寝る前はよいが真夜中は搾らない
日がたつにつれ張りもおさまってくるので搾る量や回数を減らしましょう。
冷湿布をしましょう。
断乳当日は入浴は控えましょう
乳腺炎予防のために断乳完了まで油ものや、高カロリー食を控えましょう
断乳後の母乳外来受診日程
1回目:断乳当日より3日目
2回目:1回目の約1週間後
3回目:2回目の約3週間後
4回目:3回目の約1ヶ月後
状態により乳房の手当て、及び手技の回数は個人によって違うことがあります
