- トップページ >
- コラム・広報誌 >
- こうのとりくらぶコラム >
- 多胎妊娠
多胎妊娠
2人以上の赤ちゃんを同時に妊娠することを『多胎妊娠(たたいにんしん)』といいます。当院では新生児センター(NICU)があるため、双子、三つ子のママが多く来院されます。現在は不妊治療も進んでいるため、多胎妊娠のお産は年々増えています。
双子を自然に妊娠する割合は80分の1、三つ子は6400分の1、当院では年間平均で30組の双子、そして2組の三つ子が誕生しています。4つ子も誕生しています。
双子には3種類ある?
双子には1卵性と2卵性があることは知られています。1卵性は、1個の卵子と精子からでき、同じ遺伝子を持っているので性別や血液型は同じです。それに対し、2つの卵子と精子からなるのが2卵性。別々の遺伝子を持っているため性別や血液型が異なることもあります。さらに胎盤の数と赤ちゃんを包む羊膜の数で数種類に分かれます。
一般的に『多胎妊娠はリスクが高い』といわれますが、リスクの高さや内容は『膜性』によって異なります。赤ちゃんを包む膜を超音波でみることはとても大切です。赤ちゃんを包む羊膜と絨毛膜という膜の状態をみて、赤ちゃんのお部屋が1人ずつ膜で分かれているかどうかをみていきます。

1卵性は、1つの胎盤を2人で共有するため、栄養が均等にいかず、赤ちゃんの体重差が出てくるなど、管理が重要になっていきます。1卵性の中でも、1人ずつ部屋がある1絨毛膜2羊膜と、1つの部屋を2人で共有する1絨毛膜2羊膜に分かれます。
2卵性の場合は、胎盤と部屋が1人ずつ分かれているため、よく育ちます。
長い管理入院、早産や小さく生まれることも
赤ちゃんが2人いることで、子宮内が早い時期から大きくなるのでお腹が張りやすく、早産になることが少なくありません。双胎妊娠の約半分は早産となり、赤ちゃんの数が増える毎にお産の時期が早くなります。
双子を妊娠している場合は、過度に心配する必要はありませんが、1人の赤ちゃんを妊娠しているよりも多少リスクが伴います。お腹が張ったり、出血、お水が流れた感じ(破水)など、体の変化を感じたらすぐに受診するようにしましょう。
ママや赤ちゃんの状態にもよりますが、早産の兆候が現れやすい妊娠30週頃から入院する可能性があります。安静やお腹の張りを抑えるためにお薬を使う場合も多いです。入院は、ママと赤ちゃんたちの状態をよく観察し、できるだけ良い状態で妊娠を継続するために必要です。長期の入院には家族の理解と協力が必要になります。上のお子さんがいる場合は、入院中に面倒を見てくれる方を見つけておきましょう。
双子の出産方法
経膣分娩になるか、帝王切開になるかは、ママの状態、赤ちゃんたちの子宮内での姿勢によって決まりますが、安全な出産にするため、帝王切開になることが多いです。
双子だからこそ母乳です!
双子を母乳で育てるのは難しそうとお思いの方もいると思いますが、未熟児や早産で生まれることが多い双子だからこそ母乳が大切です。
もし、赤ちゃんが新生児センターに入院になっても、母乳をあげることは可能です。搾った母乳を毎日届けることができます。
育児の大変さは2倍、でも楽しさや嬉しさはそれ以上!
さて、赤ちゃんが産まれたら母児同室が始まります。育児は1人でも大変ですが、2人分ともなると大変さは倍以上かもしれません。2人同時におっぱいを欲しがることもあります。
入院中は、まずは1人ずつのお世話から始まり、慣れてくると2人同時に同室していきます。同室を始めると、「双子でも、泣き方もおっぱいの飲み方も違って面白い!」と話すママも多いです。
2人同時に授乳
同時に2人に授乳するのは慣れるまで少し大変かもしれませんが、授乳の時間を半分に短くできるだけでなく、母乳をたくさん作りだすことができます。短い入院期間ではなかなかマスターするのは難しいかもしれませんが、退院後も母乳外来でフォローしていきます。
やっぱり不思議な双子
実は、当病棟のスタッフの中にも双子が2人います。話を聞くと、『自分が買った靴と同じ靴を双子の姉が知らずに買ってきていた』なんてことはよくあるそうです。双子は年の離れた兄弟とは違い、一緒のお腹の中で育ち、一緒に成長していきます。そのため好きなものが知らず知らず似てくるかもしれませんね。
